「漫画」で感じる日本語

日本語の文法を「漫画」で紹介。その意味や使い方を視覚から感じてみよう。

『うちのヤマギワ君』第2回 新しい友だち

偶数回はペット視点で進めていこうかと。

 

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文法項目

①「N1のN2」

②「Nだ/Nである」

③「Nという」

④「N(場所)から来た」

⑤自称(わたし、ぼく、おれ)

 

解説

ペットを登場させたのは、日本人社会を外から見つめる存在がほしかったため。

つまり、外国人の視点と重ねるためです。

そして、第1回と異なる点は、横書きということ。

セリフの順番も左から右へという意識で配置しました。

独白部分は書き言葉で、会話ではより現実に近い話し言葉を使う予定。

フォーマルな奇数回とラフな偶数回という感じで進めていきます。

 

 

1コマ目

・場面

山際レオの初登場シーン。

吾輩は猫である』ばりに自己紹介。

・セリフ

私は山際家の猫である。」:

吾輩は猫である』を意識してみた。

~である」は書き言葉の表現。

特に性質や状態を説明する論説文などに使用される。

名前はレオと言う。」:

ここの「~と言う」も書き言葉表現。

 

2コマ目

・場面

新しい街に引っ越してきたレオが公園に友だちをつくりに来た。

公園のベンチに猫がいるのを見つけ、挨拶をしに行く。

・セリフ

最近、東京からこの街に来た」:

最近」は、昨日とか一昨日とか近い過去を表す名詞。

ただ「最近~した」のように副詞的に使うことも多い。

(場所・時間)から」は動作・行為等の起点を表す助詞。

この(場所)」は現在自分がいる場所を表す言葉。

地図を指し示す場合など、心理的に近い場所にも使える。

公園で友だちをつくろう」:

(場所)で」は動作・行為の発生する場所を表す助詞。

~をつくる」で、ある特定の立場や人間関係にあたる人を生み出す意味。

「友だちをつくる」「彼女をつくる」「協力者をつくる」…

つくろう」は意向形で、発話者の積極的意志を表す。

 

3コマ目

・場面

新しいキャラクターの登場。

左のマリーはちょっと高貴な感じで、右のモノクロは庶民的な感じ。

・セリフ

はじめまして。私はマリー」:

アニメや漫画ではよく「~です」を省略する言い方が見られる。

「オッス、オラ悟空」とか。

良く言えば、親しみがある言い方だが、日常ではやはり使いにくい。

未終了な感じもあるし、言い放つ感じもあるし。

僕はモノクロだよ」:

役割語として「ぼく」を使ってみた。

つまり、モノクロはちょっと大人しい性格のキャラ。

~だ」は「~です」の普通体で、より親しみを表す言い方。

~よ」は相手に呼びかけたり、注意喚起する時などに使われる。

 

4コマ目

・場面

ベンチの下にもう一匹、人間の食べ残しをむさぼっている猫がいる。

体が大きく、目つきも鋭く、言葉遣いもちょっと荒い。

 

・セリフ

俺はクロだ」:

おれ」も役割言葉で、「ぼく」とは対照的。

性格が荒く、自我が強い感じで、同時にちょっと無思慮さも匂わせる。

よろしくな」:

~な」は「~ね」と同様、言葉を和らげる言い方だが、男言葉的。

 

編集後記

一番苦労したのは2コマ目の背景。

公園の設定なので、奥行きを描きたかったんですが、うまく描けず。

結局、ごまかしました。

あとは1コマ目のレオの登場場面。

左から読むということで、左から跳び下りながら登場なのだが。

猫の跳び下り姿に苦戦しました。

でもまあ、とりあえず形にはなったということで良しとしよう。

第1回、第2回と描きあげて、ある程度の実感は得ることができました。

あとは『みんなの日本語』などを参考に物語を作っていこうと思います。

個別に文型説明用のも作っていくつもりです。

 

 

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