「漫画」で感じる日本語

日本語の文法を「漫画」で紹介。その意味や使い方を視覚から感じてみよう。

『うちのヤマギワ君』第一回 はじめまして

ついに完成…。

学校のデザインやら色彩、色塗りやら線の角度や遠近感やら。

とにかく実際に描いてみると案外壁にぶつかりまくりで大変でした。

細かい解説はおいおい追記するとして。

まずはアップロード。

どうぞご覧ください。

なお、ご批評ご指摘は大歓迎ですのでお気軽に。

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文法項目

①「はじめまして」

②「N1はN2(名称)と言います」

③「N(場所)から来ました」

④「どうぞよろしくお願いします」

 

解説

やはり最初は「はじめまして」。

新しい出会いやスタートを象徴する言葉を学ぶのが王道だと思います。

学生なら、やはり「入学」または「転校」の場面でしょう。

というわけで「転校」から物語を始めることにしました。

 

1コマ目

・場面 

小学校の始業を知らせるチャイムが鳴っている。

・擬音語

キーンコーンカーンコーン」:

始業を知らせるチャイムの音。

・その他

〇〇市立ヤマメ小学校」:

校名の由来は『サザエさん』の「カモメ小学校」。

 

2コマ目

・場面

クラス担任の教師が朝のホームルームで挨拶をしている。

そして、これから学生に転校生を紹介するという場面。

 

・セリフ

おはようございます」:

午前中に使われる挨拶の言葉。

また、その日はじめて会った時の挨拶として使われることもある。

この場合、夜でも言うことができる。

特に夜勤の仕事で出勤した際の挨拶などで使われる。

今日は転校生を紹介します」:

学校では毎朝、一日の始まりにホームルームが行われる。

教師から連絡事項などが伝えられるのだが、ここでは転校生の紹介。

「今日」は他の日と区別する表現。

 

・動詞

紹介する」3G動詞:「(N1[対象])(N2[目的語]紹介する

 例文 両親に 恋人を 紹介する。

    見学者に 会社の歴史を 紹介する。

    外国人に 日本の文化を 紹介する。

 

3コマ目

・場面

転校生の山際タケルが自己紹介。

本の学校では制服を着用するのが一般的。

「学生服」、「学ラン」とも言う。

・セリフ

はじめまして」:

知り合って、これから互いに関係をつくっていく相手に対して最初に言う。

親しみを表現する柔らかい言い方。

硬い言い方だと「お初にお目にかかります」。

山際タケルと言います」:

(私は/私の名前は)~と言います」で自分の名前を紹介。

格助詞「」は他のものと区別する用法がある。

この場面では転校生はタケル一人なので、「~は」と言う必要はない。

そして小学生男子は通常、「わたし」という丁寧な言い方はしない。

僕(ぼく)」、わんぱくな男子なら「俺(おれ)」を使う傾向にある。

・動詞

言う」1G動詞:「(N1[主題/主語]N2言う

 例文 私の弟は タケルと 言います。

    これは 何と 言いますか。

    ミルクは 日本語で 牛乳と 言います。

    

4コマ目

・場面

タケルが自分の出身地を紹介し、お辞儀とともに自己紹介が終わる。

・セリフ

東京から来ました」:

~から来ました」で自分の出身を紹介。

ただし移動の意味が含まれるところに注意。

つまりタケルは転校生で、他の地域からやって来たことが既知であること。

どこからやって来たのかを皆が知りたがっているという状況で使える。

その人自身の属性を言う時は「~出身」「~人」が使われる。

よろしくお願いします」:

自己紹介の終わりによく使われる。

核心は「よろしく」。

初対面などの場合は丁寧さを出すために「お願いします」もつける。

もっと丁寧に言いたい時は「どうぞ~」。

よろしく)」:

親近感を出すために、初対面でもこのように言うことがある。

最後を長音で伸ばすのは子どもがよく使う言い方。

・その他

山際トオル」:

黒板に書かれた名前が「タケル」ではなく「トオル」になっている。

面倒なので訂正はしなかったm(__)m

 

編集後記

想定以上に時間がかかってしまったことに自分でもびっくり。

その原因は、まずソフトを使いこなせていないこと。

そして、つい凝りだしてしまうこと。

シンプルさを目指すつもりがいつの間にかカラーだし。

校舎なんかも描きだして。

特に校舎のバランスだとか机の遠近感とか、何回描きなおしたか。

もっとシンプルに、わかりやすく…。

まだまだまだまだ。

もっとうまくなれるように頑張ります。

 

なお、二次使用は自由です。

むしろ作ってくれたら嬉しい限り。

ついでに右側のタイトル絵なんかも…。

ご意見ご批判はこちらまでお気楽にどうぞ。

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